実家は産婦人科を営んでいました。出産時の母親の苦しそうな声は、幼い子どもにとっては怖いものでしたが、その後の喜びの様子が幸せそうに見えていました。医師の仕事は大変で、24時間エンドレスの勤務状況で一体いつ寝ているのか分からない両親に驚き、同時にゆっくり相手をしてもらえない子どもとしての寂しさを感じていました。
両親からは、やりたいと思う仕事を考えて何を目指してもいいと言われていました。高校卒業の頃には、一番身近な職業として医学部進学を考えました。全国の入学者から色んな地域の言葉や習慣を見聞きし、同級生の年齢も同一ではなく、社会人としての経験を聞くこともあり、6年間で成長できた部分も多かったと思います。
卒業後は実家に戻り、研修を始めました。代謝や腎・内分泌の分野を専攻することとなりましたが、さらに研鑽を積めるチャンスを得て、久留米に移動しました。内分泌外来に参加でき、出向先で一般外来も指導していただき、出産を機に障害児者施設での勤務にもチャレンジしました。
乳幼児健診などで見てきた健康な子どもたちばかりでない世界を見て、人生を生きることを深く考えるようになりました。将来を担ってくれる子どもたちの成長を見守るために、保護者である両親やサポートしてくれる祖父母を含む家族や、見守ってくれる周囲の人々の健康を保つことが大切だと考えました。
前職では、0歳から100歳までをモットーにできる限りの努力を積みました。今からは、目標としてきたことの実現のために、知り得た知識をフル活用して、地域全体のお役に立てるように頑張りたいと思っています。